金価格の決定要因

“Determinants of the Price of Gold” (Japanese only) 本レポートは、金の価格を決めているのは何かという問いに答えている。金価格に影響を与える要因について、包括的にかつ理論的な分析を試みたもので、定量モデルを用いた分析、および需要・供給と金価格の関係についての分析を行った。

ゴールド・デマンド・トレンド2014第1四半期

例外的な水準であった2013年に続き、2014年の金需要は堅調なスタートを切り、前年同期とほぼ同水準の1074.5トンとなった。宝飾品需要は緩やかな伸びを示したが、投資分野の減少と相殺された。金額ベースでの第1四半期の金需要は450億米ドルである。

ゴール・ドデマンド・トレンド2013年年間

2013年は金宝飾品の需要が金融危機以前に迫る水準まで回復し、小型の金地金や金貨への投資が過去最高を記録するなど、「消費者の1年」となりました。年間需要は、3,756.1トン、金額ベースでは1,704億米ドルでした。しかし消費者需要の強さは印象的だったものの、上場投資信託(ETF)からの流出や中央銀行の金購入額が減少したことの影響が大きく、最終的に13年の年間需要は、好調だった12年通年の数値をトンベースで15%下回りました。

2013年第3四半期

2013年7-9月期の金需要は868.5トンと、370億米ドル相当になった。ほとんどの国やセクターにおける需要は堅調であった。第2四半期に過去最高水準に達した消費者需要は第3四半期も堅調であり、年初からの累計では過去最高ペースに推移している。
例外は、金の現物を裏付けとするETF(上場投資信託)であり、第2四半期の402トンに続き、今期も119トンの流出となった。また、政府による規制介入が行われているインド市場では、前年同期比71トンの減少となった。中央銀行は引き続き、そのペースは減速しているものの、金準備を積み増している。

ゴール・ドデマンド・トレンド2013年第2四半期

2013年第2四半期は、金にとって激動の四半期であった。一方で、前四半期から兆候のあった、あるセクターの需要増加が別のセクターの需要減少を相殺するという金市場独特の自律的均衡作用も顕著となった。本レポートでは、宝飾品に対する消費者需要の持続的回復、際立つインドと中国、投資分野の異なる投資家層による分散、西から東へのシフトについて解説する。

第2四半期の世界の金需要は856.3トン( 金額ベースで390億米ドル)で、前年同期比12%の減少となった。宝飾品分野は数年来の高水準を記録し、金地金・金貨の需要額は四半期ベースで過去最高を 記録し、金ETFからの流出分を相殺した。消費者需要は、中国とインドによって牽引され、中国・インドを合わせ宝飾品需要では60%、投資需要では50%を占めた。各国中央銀行の当該四半期の需要は71トンとなり、10年連続での買い越しとなった。一方、供給サイドは、リサイクルの減少により合計の供給量は前年比6%減の1025.5トンとなった。

ゴール・ドデマンド・トレンド2013年第1四半期

1四半期において、金宝飾品、金地金・金貨の需要は大幅に回復したが、全体の需要は13%減となった。ETFからの流出が減少の大半を占め、この分を除けば全体の需要は前年同期よりも増加した。インドと中国の両市場では、宝飾品と金地金・金貨の両方で少なくとも20%の需要増加となり、再び成長のけん引役となった。中央銀行の需要は、7四半期連続で100トンを超えたが、例外的なペースで購入が進んだ2012年通年と比べると、やや減速している。テクノロジー需要は、ボンディングワイヤ需要がさらに減少し、歯科用途需要の縮小が続いたことから減少した。

ゴール・ドデマンド・トレンド2012年年間

2012年年間では、一般消費者の需要の減少を中央銀行と機関投資家からの需要が相殺し、トンベースでは4%減の4,405.5トン、金額ベースでは2,364億米ドルと過去最高を更新した。2012年の主なテーマは、インドが明確に二分された1年であったこと、中央銀行の購入が過去48年間で最大となったこと、そして中国の変わらぬ金への愛着である。第4四半期は、宝飾品と中央銀行の需要増加が投資とテクノロジーの需要減少を上回り、四半期ベースの金需要は過去最高の1,195.9トンとなり、金額ベースでも662億米ドルと過去最高に迫った。

ゴール・ドデマンド・トレンド2012年第2四半期

2012年第2四半期において金需要を牽引した要因を概観し、また地域別や需要分野別の金市場の変化や傾向について振り返るとともに今後の見通しについて述べる。また、トピックとしてロシアの金市場を取り上げ、市場の変革や高まる金の役割について議論する。